サウナと野球と時々カメラ

意識の低い政治学徒だった人の日記。週末サウナー。

余はいかにしてサウナにハマりし乎

サウナとの出会い

 習慣的にサウナに行くようになってから、1年ぐらいが経過した。もともとサウナに入るようになったきっかけは、2017年の秋頃にストレスが原因で数ヶ月間仕事を休職した時に、サウナに入ることでストレス解消や自律神経を整えることができると聞いたためだった。当時は温冷交互浴*1のことを知らなかったし、ドライサウナは暑くて好きじゃなかったので、ミストサウナに入って温まってきたらぬるめのシャワーで汗を流す、というのをなんとなくやっていた。ミストサウナとぬるめのシャワーでストレス解消できているのか、自律神経が整っているのか、と言われるとよくわからず、「言うほど効果ないよなあ〜〜」と思いながらも、足を伸ばしてゆっくりできるお風呂を求めてスーパー銭湯に週2〜3回通う生活を続けていた。

 その後、職場に復帰したこともあり、スーパー銭湯通いのペースが若干落ちてきた。復職直後は労働のリズムを取り戻すだけで大変だし、通勤片道1時間強ということもあって、毎日家に帰って来たらクタクタで、スーパー銭湯まで出かけるのも億劫という状態になってしまったのである。また、復職直後は真冬で、夜な夜なスーパー銭湯まで歩いて行くのが寒かったという事情もあり、土日の昼間に時々出かけて行く程度の頻度になっていった。

温冷交互浴との出会い

 そんな中、2018年度に入った直後だったと思うが、サウナにハマるターニングポイントが訪れた。そう、温冷交互浴を試す時がきたのである。

 何がきっかけだったかはよく覚えていない。とにかく雑談の中で、サウナの後は水風呂に入ると気持ちいい、と言う話をどこかで誰かに聞いたのだ。その話をしてくれた当人も、別にサウナにハマっているわけではなかったはずで、「たまたまそういう話を聞いたことがある」という程度の話だったと思う。とはいえ、そんな話を聞いてみたら試してみないわけにはいかない。ということで、google先生に「サウナ 水風呂 入り方」とかそんなワードをいくつか放り込んで、調べてみた。その結果、サウナ→水風呂→外気浴を何セットかやるのがいいと知ったので、早速実践してみた。

 これが、本格的にサウナの世界に足を踏み入れた瞬間だったと思う。80℃のドライサウナでなんとか7〜8分耐え、19℃の掛け湯が冷たくて縮みあがったものの、なんとか気合で水風呂に入ってみた。意を決して、息を止めながら水風呂に沈む。

 ・・・あれ?そんなに冷たくない。そうか、これが「温度の羽衣*2」(タナカ2016)か、案外水風呂も入れる。さて、次は外気浴か、ということで水風呂を出たところ、頭がクラっときた。「おや、これはヤバいやつか。倒れる前兆・・・?」と不安になるも、ここまで来たらヤバかろうがそうでなかろうが、とりあえず休憩スペースに行かねばならない。汗を拭きながら露天に移動し、休憩スペースに寝転がった。

初めての「ととのい」

 その刹那、視界がグルグル回り始め、心拍数が急上昇する。手足もジンジンし始めた。もうここまで来たら流れに身を任せるしかないと覚悟を決めたところ、言語化できない恍惚感のようなものが突如訪れた。同時に、水風呂で冷えて収縮していた手足の血管が、末端からプクプクと拡張し始め、徐々に手足全体に広がって行く。正直、この辺りからあんまり記憶がないのだが、心拍数が落ち着くまで15〜20分ぐらい寝っ転がっていたはずだ。我に帰ったところで、ようやく得心した。これが、いわゆる「ととのった」という状態なのかと。

 1セット目を終えて、しばし呆然とした。これはヤバい。なんだ、世のサウナ愛好家はこんなにヤバい体験をしているのかと、驚愕した。そして早速2セット目に向かう。

 ・・・あれ?1セット目ほどサウナ室で汗が出ない。水風呂も1セット目ほど長くは入れない。外気浴も1セット目ほどガツンと恍惚感が来ない。サウナ室にいる時間が短かった?水風呂に入っている時間が足りなかった?ととのう姿勢が良くなかった?いくつかの疑問を残しながら、3セット目に向かうも、やはり2セット目ほどととのわない。

 ということで、1セット目の鮮烈な「ととのい」と、2〜3セット目の不完全燃焼を経て、初めての「ととのい」体験が終わったのである。

よりよい「ととのい」を求めて

 初めての「ととのい」の結果、いくつかの疑問がでてきた。そもそも「ととのう」とはどう言う状態を指すのか。「ととのう」ために必要な要素は何なのか。特に、「ととのう」ために必要な要素については多くの変数が影響していそうで、初「ととのい」から8か月ぐらいたった今でも、どういう要素が効いているのか、分からない*3。どこかのタイミングで、ゆっくり考察してみたい。

参考文献

タナカカツキ(2016)『マンガ サ道〜マンガで読むサウナ道〜①』講談社

*1:サウナやお湯に浸かって身体を温めた後、水風呂に入り体を冷やす、というのを繰り返す入浴法。サウナ→水風呂→休憩というサイクルを3セットぐらいやったあとに寝転がると、一気に眠れる。

*2:サウナで身体が火照った状態で水風呂に入ると、入った直後こそ冷たいものの、皮膚と触れている部分の水は次第に温まっていき、体感としては冷たさが和らいでくる。この状態のことを、温まった水の羽衣をまとっているような状態に例えたことから、サウナ愛好家の界隈では「温度の羽衣」と呼ぶことがある。

*3:その後の経験で、いかに「ととのう」かは個々人によっても違うことが分かってきたので、自分にとってよりよく「ととのう」ための要素を整理したい。現時点では、サウナ室の温度、サウナ室の湿度、サウナ室の滞在時間、水風呂の温度、水風呂の滞在時間、休憩スペースの椅子の形状、などがあるように思う。